SIDEWALK TALK 面白い落語と落語家

好きな落語家や噺、落語会の感想を中心に書いていきます。

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1.野ざらし2.時そば3.宮戸川
4.人情八百屋5.粗忽の釘
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三代目四代目桂三木助 追善興行 2/6(土)
昭和の名人と言われた三代目桂三木助、若くして亡くなった人気者の四代目桂三木助の追善興行が新宿末広亭でやっています。
本公演にあわせて四代目桂三木助のCDが、四代目の実姉の小林茂子さんの手により発売されています。

確実に席を取ろうと昼の部の中入り前から寄席に入ったため、6時間半の寄席滞在。

昼席は漫才のロケット団とトリの橘屋円蔵が印象に残る。
円蔵師が高座から四代目桂三木助のCDの宣伝をしたあと、会場の後方にいる茂子さんに「何かいえよ」と呼びかけ茂子さんがそれに答え「よろしくお願いします!」

夜席
トリ 柳家花緑 「野ざらし」 
四代目は昭和の名人三代目桂三木助を父親に持ち、その得意ネタである「芝浜」がライフワークだと花緑師に話していた。
花緑師も名人の柳家小さんを祖父に持つが、当時の花緑師はまだ10代と若く、そんな故三木助師の気持ちがわからなかったが、今になってよく分かるといっていた。
しばらく見ていなかったけど花緑師は以前より安定とした感じ。このネタは四代目が二つ目のときに、よくやっていたとか。

桂三木男 「お見立て」
三代目の孫で四代目を叔父に持つのがこの人。まだ真打になっていないが、本公演では特別に中入り後という、本来真打がいるべき時間帯に登場。
まくら含め、まだぎごちないところがあるが、独特の力を抜いたような調子が好き。軽率な若い衆、意地の悪いおいらんを描いていて楽しめた。

春風亭小朝 「七段目」
小朝師は四代目三木助からの、結婚の相談にのるような仲で、相手の女性を紹介されることもたびたびあったとのこと。小朝師いわく「人の女房を見る目はある。」

この日の小朝師はすごかった。うまいとか面白いとかいう以前の、地力がものすごくある人なんだと思う。
10年ほど前に立川志らく師が著書「全身落語家読本」で、落語家を乗り物にたとえれば談志師匠は、時代の最先端を行く新幹線、志ん朝師匠は人気が 高いブルートレインとした上で、小朝師を、現代性からいっても人気からいっても新幹線やブルートレインには及ばない、小田急のロマンスカーだが、「いつの 日か小朝師はリニアモーターカーになる」と書いていた。
まさにリニアモーターカーが、これから見れるのか?そんな思いがした高座だった。

入船亭扇橋 「つる」
三代目三木助の弟子である扇橋師、三代目の得意ネタをやるのかと思えば、ほのぼのとした「つる」でした。

今日は「へっつい幽霊」、「味噌倉」、「火事息子」など三代目の有名な演目をやる人はいなかったように思う。
しかし、扇橋師、小はん師という三代目の弟子や三代目の孫弟子にあたる入船亭一門の落語家がたくさん高座に上り、三代目へのリスペクトが感じられた。
入船亭扇好師の「看板のピン」は、若い頃博打打ちだった三代目へのオマージュか?

最期にわたしの四代目三木助体験は、「死ぬなら今」の流暢に語る中、さげに入る前にトンと扇子を高座について、「皆さん死ぬなら今です」。この絶妙なタイミング!
紀伊国屋寄席での一文門笛の、ラストのどんでん返し。一瞬の場面転換がとてもきれいに決まる、鮮やかさが印象に残っています。
| - | 13:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
インタビュー
東京かわわら版 10月号に掲載されている立川志らく師匠のインタビューが面白い。

東京の落語家の中でインタビューが一番面白いのは志らく師匠ではないか?との思いを新たにした。
談志師匠のインタビューは論理的かつ客観的である分、読者を冷静にさせてしまうところがある。または思索にふけらせてしまうところがある。談志師匠の偉大さと読む己の至らなさを感じる。志らく師は主観的な分その世界に入り込むととても興奮した気分を味わえることになる。

 東京かわわら版 のインタビューの中で印象深いのは、談志師匠のすごさと弟子を比較した部分。
「わたし(志らく)も志の輔アニさんも談志師匠にはなれない。談春アニさんはテクニック。あの口調のよさや技術は私も志の輔アニさんも持っていない。ただ談春アニさんは志の輔アニさんほどの左脳も私ほどの右脳も持ってないので、やはり談志にはなれない。」

昨今の落語ブームでは志らく師はブームとは無縁の態度を取っていたように思う。それはそれで、かっこよかったが、ファンとすれば、何でこんなに才能のある落語家が注目されないのだという思いもあった。
そもそも喬太郎やたい平が真打になる前から新しい落語を聞かせ、引っ張ってきたのは志らく師だろ、など。

しかしまた風は変わりつつある。志らく師の落語は単なる新しいという域を出て人間の本質的なものを捉えようというところに行きつつあるのではないかと思う。

志らく師の人情話は人情話といいつつもギャグ満載、シュールな場面も出てくる。どの人間も様々な面を持っている想起される。
つまり話が薄っぺらでないのだ。まじめに生きていても純粋な思いでいても、くだらないことやばかばかしいことはつい出てくる。でもそれを含めての人生であり、そのようなことを含めて現代の高座の上に提供するからこそ、昔から語り継がれてきた物語は真に迫ってくるのだ。

以前は「ジェットコースター落語の志らく」とうキャッチフレーズがおなじみだったが、今私が名づけるとすると「人情話の志らく」です。

| - | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
大江戸・本当にあった怖(こわ)~い話
夏らしいテーマの本をオススメします。

『大江戸・本当にあった怖〜い話』下山弘著 PHP文庫

怪談、といっても、おどろおどろしさを強調したものではなく、
江戸時代に実話として語られた「怖いお話」を通じて、当時生活
していた人々が、どのようなことを感じ考えていたのか、
何に喜び、何を恐れていたのか?を探ろうというものです。

江戸時代の書物より紹介される一話一話は短くまとめられていて、
読みやすいです。
| - | 00:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
発売してよ 右朝師のCD
古今亭志ん朝師匠のDVD発売で盛り上がっている落語ソフトシーンですが、丁度志ん朝師匠がなくなる半年ほど前、将来を嘱望された落語家がこの世を去っています。
志ん朝師匠の弟子の古今亭右朝師。

少し以前からの落語ファンから右朝師の名前が出ると、必ず「巧い落語家」という言葉とともに語られます。談志師匠や高田文夫さんがおっしゃっているのだからその言葉に間違いはないでしょう。

現在の「巧い落語家」というと、談春師の名前が真っ先に挙がっていますが、談春師は談志師匠の弟子だけあって話の随所に「談春師匠自身の価値観」というようなものが顔を出すのに対して、右朝師は、あまり己というものを出さずに、あくまでも作品に忠実に語っていたように感じられます。
しかし、ご自身お酒がお好きで酒癖も悪かったというエピソードを髣髴させる、だらしない酔っ払いの描写、優しげなご隠居、など、その高座は右朝師自身の個性が垣間見え、巧さだけでも特筆に価しますが、単なる巧いだけ落語家では決して無く、見るものを引き込む何かがあったと思います。
それでもってスマートな容姿、憧れてしまいます。

右朝師の往年の高座はスカイパーフェクTVのテレ朝チャンネルやインターネットの動画配信で見ることが出来ます。(右朝の落語定席、東京落語図会)
ただ、お客さんがいないところでの映像なのでどうしてもライブ感にかけるきらいがあります。この二つの番組が残っているだけでも、ファンとしては幸運と思わなければならないのでしょうが、やはり生の高座の様子を聴きたい、見たい。

右朝師のCDはなくなった一年ほど後に追善盤がでていますが、二つ目(当時志ん八)から真打ちになって間もないころの音源が多くを占めてます。これはこれで貴重なものですが、年齢としては50歳に近くなるころにあたる、1990年代後半以降がより落語家としての充実期にあったのではないかと思います。

洒脱なまくら、流麗な語り口、美しい声、今のファンもきっと楽しめるでしょう。というか、個性的な若手落語家が台頭している現在こそ、テクニックとスピード感で、本格的な古典落語を現在に通じさせる力量を持った右朝師の存在は意味を持つのではないかと思います。
出してよ、右朝師のCD。



| - | 20:35 | comments(1) | trackbacks(0) |
立川志らく独演会 3月14日 銀座ブロッサム会館
落語でも演劇でも展覧会でも、見終わった後の感動がなかなかさめないこともあれば、見ている最中は面白いのだけれど、翌日にはきれいに忘れているというものもある。

前者の典型的なものは昨年12月談志師匠の「芝浜」で、これを見た後はそのすばらしさのあまり、他の落語をしばらく見たくなくる気分になるほどだった。

3月14日に銀座のブロッサム会館で行われた立川志らく独演会は又違った種類の感動であるが、2日経った今でも印象が強い。

一席目の「子別れ 通し」も良かったが、二席目の「落語長屋」がすごい。これは複数の落語を繋ぎ合わせて、一本の新しい落語にしたもの。

題材となった落語は「よかちょろ」「二階ぞめき」「湯屋番」「ざるや」「付き馬」などで、それぞれの落語を語りながらも、これらが一つの噺の一部となり登場人物の若旦那の遍歴を追ってゆく。

内容は志らくの落語賛歌ともいうべきもので、全編に落語に対する志らく師の深い愛情が伝わってくる。

志らく師の著書「落語二四八席辞事典」に落語の解説で、「登場人物の前歴はこの落語のこの人に違いない」という記述があったが、それを高座の上で実践してみせたものになっている。

「与太郎編」とか「大工の棟梁編」ぜひとも他の登場人物でも聴きたいです。
| - | 18:48 | comments(0) | trackbacks(3) |
古今亭志ん朝DVD全集
私が落語ファンになって間もない頃、正月二の席の末廣亭。色物が終わりあとは師匠の登場を待つばかり。まだ姿を見せていないのに、高座の札が「志ん朝」に代わるだけで期待感いっぱいの拍手が客席から起こる。

その日聴いた「宿屋の富」のすばらしさ、流れるような語り口にぐいぐいと引き込まれ、あっという間に時間がすぎる。他の落語家とは誰とも違う華麗な高座に大笑いしながら感動した。

平成13年志ん朝師匠がなくなってから、結構な時間が経ちましたが、親縁の方の反対もあり、過去のテレビ映像は残っているものの発売は出来ないということをきいたことがあります。

それが今知ったのですが、3月にDVD全集が発売されるとのこと。

ファンの期待感の高さはまだ発売前なのにアマゾンで11件ものレビューが付いていることから分かります。

古今亭志ん朝 全集 上

秋にもこの全集の「下」が発売されるようです。

無料で楽しいプロフ[アバウトミー]

| 映像ソフト | 01:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
立川流 VS SWA
5月30日 我ら高田“笑”学校 紀伊国屋サザンシアター

白鳥、志らく〜中入り〜彦いち、談春 という順番。

白鳥師は最初というのにいきなり双蝶々を持ってきた。
落語中興の祖、三遊亭円朝の作品とかいいつつ、原作から借りてきたのは
オープニングの設定と、蝶々が二匹出てくるところのみ、あとはいつもの
白鳥ワールドで、マッチ売りの少女とヘンゼルとグレーテルが出てくるという
とんてもない展開。しかし、今日はノリきれていないようで、客席からの反応も
やや薄い。
まだ、白鳥が二つ目で新潟といっていたころ、下北沢の劇症劇場で彦いち、喬太郎との三人会でこの噺を通しでやった。白鳥と彦いちがもとの噺をメチャクチャにしてしまい、最後にあがった喬太郎がほとほと困った様子で、登場したのを思い出した。

次の志らく師、マクラで自分が落後家になったきっかけとして金原亭馬生、立川談志、高田文夫にからむエピソードを語る。この三人の影響を受けるとこのような噺になるとして親子酒に入る。前にあがった白鳥師が大きく時間をとったために、持ち時間があまり無かったようで、たっぷりと語ってほしかったが、短いながらも落語への愛情を感じられる高座だった。

中入り後の彦いち師、本日もっとも持てる実力をはっきしたのはこの人だったと思う。演目は「かけ声指南」。SWAで初めて聴いて以来三度目となるが毎回少しづつバージョンアップしている。何かの壁にぶつかっている登場人物が、悪戦苦闘しながら最後には目的を達成するところは日彦いちのキャラクターも重なって客の共感を呼ぶ。今日はギャグのオンパレードだったけど、シリアスな噺でも聴いてみたい。例えば中村仲蔵なんてやったら新しいものができるんじゃないかな。

トリの談春師は鹿政談。これまた時間が押していたようで短めに演じたが、裁きの見せ場を強調した構成で、かえって印象の強いものとなった。こういう噺をきくと古典の力はすごいものだな、と改めて思うがそれはその噺の魅力を引き出せる演者の力があってこそ。

その後本日登場した4人と高田文夫が登場し抱腹絶倒の座談会。高田文夫のきれのある話術がすごい。「さて立川流 VS SWA、判定は?」にそれまでなごやかな場内が一瞬静まるが、高田文夫「円楽党です。」でお開き。

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| 落語 | 15:06 | comments(1) | trackbacks(0) |
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